自販機部門の船木です。
久しぶりのブログです。この間までは寒いのか暑いのかよくわからない気候でしたが、あっという間に、日中は30度を超える日が多くなり、もうすっかり暑くなりましたね。
さて、今回ご紹介するのは、6月6日から7月29日まで、東京の上の森美術館で開催されている『生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵』です。
マウリッツ・コルネリス・エッシャ-(1898-1972)は、「だまし絵」で知られる20世紀を代表する版画家ですが、その作品の不思議さはごく一般の人だけでなく、数学者や建築家までをも魅了するほどです。
今回は生誕120年を記念して、世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館からなんと約150点もの作品を選りすぐった日本初公開するとのことで、既にエッシャー展には何度も行ったことがあるという人にも見ものです。エッシャーが生涯で製作した作品が全448点と言いますから、そのうち約1/3にあたる作品がこの展覧会に出品されているというわけですから、これはエッシャー・ファンならもちろん、エッシャーに少しでも興味を持たれている方なら、この機会を逃す手はありません。
今回の展覧会では、エッシャーがエッシャーになるまでの過程を、「科学」「聖書」「風景」「人物」「広告」「技法」「反射」「錯視」という8つの観点から構成する内容になっています。
エッシャーは、旅行中に、スペインのグラナダのアルハンブラ宮殿に装飾されていたモザイク模様に深い感銘を受け、兄のB.G.エッシャーから紹介された『結晶学時報』に掲載されていた繰り返し模様の論文に着想を得て、平面に図形を敷き詰めた模様を独自に研究するようになりました。数学では、平面内を有限種類の平面図形のタイルで隙間なく敷き詰める操作を「平面充填」と呼んでおり、最もわかりやすい例で言えば、1種類の図形で平面充填できる正多角形は正三角形、正四角形(正方形)、正六角形の3種類です。この正多角形による平面充填が3種類しかないことは、古く古代ギリシャの数学者ピュタゴラスによって証明されたと言われています。エッシャーは、1937年から平面の正則分割に関する素人理論に関するノートをまとめ、さらに1958年には愛好家に向けて『平面の正則分割』という自分でまとめたわかりやすい理論を発表しています。「正則分割」とは、簡単に言えば、ある1つの図形を反転、回転させ、隙間なく並べる技法のことです。
さて、今回の「ミラクルエッシャー展」開催を記念して、科学雑誌 Newton 2018年7月号では『エッシャー作品と幾何学の世界』という全12頁の特集記事が掲載され、日経サイエンス8月号では『エッシャーを超える』という全22頁の特集記事が掲載されています。
ネット上でミラクルエッシャー展について取り上げられている記事は既にいくつもあって、以下のサイトなどがお薦めです。
ミラクルエッシャー展で不思議なだまし絵の世界を楽しもう!上野の森美術館で開催中!【展覧会感想・レビュー】
欅坂46佐藤詩織×石森虹花×齋藤冬優花インタビュー 美術初心者にもオススメな『ミラクル エッシャー展』の魅力を語る
なお、日本では、この展覧会は、東京を皮切りに、この後、大阪、愛媛、福岡と合計で4箇所を約1年かけて巡回する予定だそうです。大阪では2018年11月16日(金)~2019年1月14日(月・祝)まであべのハルカス美術館で開催されることが決定しています。
エッシャーは生誕120年ですが、私どものチケットライフもお蔭様で20周年を迎えまして、うちの自販機部門でも、石山の自販機だけでなく、栗東の自販機でも新幹線切符を取り扱うようになりましたので、滋賀県の方で、大阪・あべのハルカス美術館に来るまで待ちきれないという方は、京都-東京間(あるいは、米原-東京間)はこの新幹線切符を買い求めて、東京上の森美術館で開催中の『ミラクルエッシャー展』に行きましょう!