世界遺産ラスコー展

自販機部門の船木です。

 

みなさんは、今、東京上野の国立科学博物館で、特別展『世界遺産 ラスコー展』が開催されているのをご存知ですか? また、関西の会社のブログなのにまた東京の国立科学博物館ネタかよーという声が聞こえてきそうですが(苦笑)。まあ、主に自分の好きな科学および芸術周辺の展覧会・博物館ネタにこだわり続けて記事を書き続けている私としては、ネタがなければ関西以外でも、というわけで…(汗)。

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国立科学博物館 特別展『世界遺産 ラスコー展』

人生は一瞬

ところで、約5年半歌手活動を休んでいた宇多田ヒカルのオリジナル・アルバム『Fantome』がオリコンのアルバムチャートの週間ランキングで4週連続1位となり、話題になっていますね。収録曲の中でも、NHK朝の連ドラの主題歌「花束を君に」は、自分の母の死と向き合ったときの素直な気持ちを綴った歌のようで、特に、

 

♪ 毎日の人知れぬ苦労や淋しみも無く
ただ楽しいことばかりだったら
愛なんて知らずに済んだのにな ♪

 

というフレーズはちょっと胸に突き刺さりますね。なんか人間であるが故の悲哀みたいなものも感じたりして……。

人間のタイムスケール

人生長くても100年ほど。個々の人間が頑張って実感できるタイムスケールって、せいぜい100年くらいでしょうか。宇宙の歴史は138億年、地球の歴史は46億年、生命の歴史は38~40億年くらいと言われますから、人類の歴史は現時点で世界最古のと言われるサヘラントロプス・チャデンシス、いわゆるトゥーマイ猿人に始まるとしても、高々700万年ほどで、無茶苦茶サバをよんでも、人類の起源はせいぜい1,000万年前というところです。非現生人類のホモ・サピエンスが20万年前から10万年前にかけて現生人類に進化とされていますが、従来の学校の教科書では「新人」と呼ばれていた現代型ホモ・サピエンスであるお馴染みのクロマニョン人は、1~4万年前に生きていたと言われます。

 

ちなみに、地球の歴史46億年のタイムスケールを1年に縮めた場合、人類が登場するのは12月31日大晦日の午前10時40分頃、現生人類が登場するのは午後11時37分頃であり、その中でクロマニョン人が生きていたのは後2,3分で日が変わろうとしている頃であり、今の人間の歴史なんてせいぜい1分ほどの短さになるというわけです。

 

そう言えば、この秋に出た新刊本の『サピエンス全史~文明の構造と人類の幸福~』(上・下巻、ユヴァル・ノア・ハラリ・著)が日本でも発売され、話題になっています。この本は、「なぜ私たちはこのような世界に生きているのか」ということを、ホモ・サピエンスの歴史を俯瞰することによって現代世界を鋭く抉るという、少し変わった切り口で書かれており、世界的なベストセラーだそうです。

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『サピエンス全史~文明の構造と人類の幸福~』
(上・下巻、ユヴァル・ノア・ハラリ・著、河出書房新社、2016年)

クロマニョン人

さて、クロマニョン人は、新生代第四紀更新世の後期旧石器時代にヨーロッパに分布した人類で、現代人と同じホモ・サピエンスに属し、コーカソイドに入ると考えられ、ちょうど日本では明治維新があった1868年に、南フランスのクロマニョン洞窟で化石人骨が発見されたことから、この名があります。彼らは優れた洞窟壁画を残しており、特に、ラスコーやアルタミラの洞窟壁画は世界遺産としても有名ですね。そんな洞窟壁画を一目見てみたいけど、海外まで出かけるお金と時間がないという人のために朗報です! なんと日本でその「クロマニョン人が残した洞窟壁画」を見られるチャンスがあるというのです!

 

それがこの秋11月から来年2017年2月19日にかけて、東京上野の国立科学博物館で開催される特別展『世界遺産 ラスコー展~クロマニョン人が残した洞窟壁画~』(LASCAUX INTERNATIONAL EXHIBITION)なのです。この展覧会は、なんとフランス政府公認のもと制作され世界巡回している展覧会だそうです。これは是非とも見てみたいですね。

謎の洞窟壁画が見られる!

今回の展示は見どころ満載のようです。ラスコー洞窟は、フランス南西部のヴェゼール渓谷にある洞窟で、1979年に世界遺産に登録されたものの、傷みが激しく、現在は非公開となっており、最近は研究者でもなかなか入れないそうです。そのラスコー洞窟の中でも、とりわけ傑作が並んでおり、しかも特徴的な技法で描かれている「身廊」の壁画群と、最も謎に包まれていると言われる「井戸の場面」の絵など、いずれも実物大で再現されており、間近で洞窟壁画が観察できます。しかも、3次元レーザースキャンなど現代の最新技術も駆使され、隠れた線刻がライトで浮かび上がるようになっているようです。

 

日々の仕事に追われ、時間の余裕のない生活をしているからこそ、15,000年の時を超えて、私たち人間の祖先であるクロマニョン人がどんなことを思い、考え、行動していたか、そんなことに想いを馳せながら、人類史上初とも言える芸術作品を鑑賞するために、わざわざ時間を作って、ぶらっと関西から東京まで足を運んでみるのもいいのではないでしょうか。

 

というわけで、滋賀県から京都・米原経由の新幹線で、東京上野の国立科学博物館にお出かけになる方は、是非お近くのチケットライフの店舗にて、新幹線のチケットをお求めください。各店のスタッフ一同、みなさんのご利用をお待ちしております。