証券会社に口座も作り、優待を得るための銘柄も絞られて来たら、いよいよ実際に株を買うという段階に入ります。ここでは株に使うべきお金についての注意点、そして株を買うべきタイミングや、買い方の細かい方法について語ってみようと思います。
1.投資は余裕資金で
さていよいよ優待ゲットを目指して株を買うという段階に来ました。
ここでとても大事なことを確認しておきましょう。よく「株の世界は恐い」という人がいますよね。確かに株式というものは、大きく値段が変動するものでいわゆるリスクのあるものなのです。だからこそ「たった1つのこと」だけは、どうしても守ってください。それは「投資は余裕資金で」ということです。
まず、皆さんが生活の中で「日々衣食住などに使うお金」は真っ先にキープして下さい。それから、病気や怪我や失業等々のアクシデントや、大きな買い物、祝い事や各種イベント事に使うかもしれない「ある程度まとまったお金」も、それとは別にしっかりとキープしておいて下さい。
それらをキープした上で、それでも残っている「万が一失ったとしてもすぐには困らないお金」が「余裕資金」だと言えるでしょう。その「余裕資金」を定期預金や、各種保険や、国債、外貨などの様々な金融商品に振り分けて投資をするわけですが、その選択肢の一つに株式投資があるのです。どのくらいの割合を株に振り分けるかは、ここでは置いておきますが、ざっくりと言えば、この「余裕資金」の範囲を越え出るようなレベルでの株式投資をしない限りは、少々リスクが襲って来ても大丈夫です。
私が株式投資をしていく中で、あのリーマンショックを経験しました。東日本大震災の影響による株価暴落もありました。近いところではチャイナショックとかイギリスのEU離脱とか。でも余裕資金で投資をしている私は何ら問題なし。ほどほど順調に株式投資の恩恵を受けながら日々平和に暮らしています。もちろん優待も、たくさんもらっていますよ!
2.権利落ち日の前日までに買う
では、お待たせしました。株主優待目指して 、いざ株式を購入しましょう。
そのための一手として、最低限やらねばならないことは「権利落ち日の前日までに株を買う」ということです。これは、どういうことでしょうか。
まず優待をもらうために、絶対に必要な条件は「権利確定日に株主名簿に載っていること」なのです。
その権利確定日に名前が載るためには、3営業日前までに株式を購入しておかねばなりません。この「権利確定日3営業日前」のことを「権利付き最終日」と言います。実は、この「権利付き最終日」さえクリアしていれば、なんと、次の日にはもうその株を売ってしまっても良いのですが、その「権利確定日3営業日前の翌営業日」のことを「権利落ち日」と言うのです。
例をあげてみます。あなたが狙っているA社の株の「権利確定日」は、2017年3月31日(金)だったとします。あなたはまず、3営業日前の「権利付き最終日2017年3月28日(火)」の相場が終了する15時までに、A社の株を買っておく必要があります。そうすれば、もし仮に「翌営業日(権利落ち日)2017年3月29日(水)」の朝9時、相場がスタートしたと同時に、A社の株を売ったとしても、無事に「権利確定日2017年3月31日(金)」には株主名簿に載り、優待を得るのに最低限の権利を得るわけです。
以上のことを、とにかくシンプルにまとめると「権利落ち日の前日までに買う」ということになるのです。なお「営業日」でカウントしますので、「土日・祝日」などの、市場がお休みの日の分は除いた日数でカウントすることもお忘れなく。
各銘柄の権利確定日は、証券会社のサイトや、各企業のwebサイトのIR情報で調べることができます。
ただし銘柄によっては優待を得るための条件として、「権利確定日に株主名簿に載っている」だけではなく、それ以上の条件を加えているところもあります。「半年以上保有」とか「3年以上保有」などの、さらなる条件を求める企業もあるため、あくまでこれは「最低限の条件」です。その「さらなる条件」の有無についても、証券会社のサイトや、各企業のwebサイトのIR情報で確認できますので、優待目的で株を買う前に、是非ご確認ください。
ちなみに「権利落ち日の前日までに買う」の意味は、1ヶ月前でも2ヶ月前でも良いということです。権利日近くのギリギリになってから、あせって買う必要はありません。
むしろ優待目当ての方は、長期的にしばらくそのお目当ての銘柄を観察して、値動きをある程度つかんだところで、期間的に余裕をもって仕込んでおくのが良いかもしれません。
というのも、基準日が近づくと、特に優待に魅力のある銘柄は、優待目当てに慌てて買い物に来る人達が多くなり、株価が値上がりしてしまう事も多いからです。少なくとも無駄に高い値段で買い物をする必要はないですよね。
3.注文方法はどっち?
ところで、株式の「買い注文」の方法には「成り行き(なりゆき)」と「指し値(さしね)」の2種類があります。
「成り行き」はいわば時価です。「その時ついている値段で、さっと買う」わけです。「指し値」はお目当ての銘柄が「自分の指定した値段になるまでは買わない」という方式の注文方法です。
「成り行き」のリスクは思った以上に高い値段で買ってしまう可能性があること、「指し値」のリスクは、なかなかその値段にならなくて、いつまでも欲しい銘柄を買えないことがあることです。
私個人のことで言うと、私は「成り行き」で買い注文を入れることが多いです。というのも、結局、株価が上がるか下がるかは、神でもない限り予想はできず、そもそもどうせ株の値段は変動するものだと、私は割り切っているからです。
とはいえ「成り行き」「指し値」のどちらを選ぶべきかについては、各自の性格やライフスタイルによっても違うかと思います。たった一つの正解というものはありませんので、皆さんなりのベストの方法をトライ&エラーの中で見つけ出してください。
銘柄を決めて、お目当ての株を買ったらいよいよ、優待ゲットはもうすぐです。次回は「株主優待の受け取り方法」について語ります。