株式の売買をしている中で、時々目にする言葉が株式分割という用語です。今回は株式分割について解説します。
1.株式分割とは
株式分割というのは、文字通り、株式会社が発行している株式を分割することです。
1株を2株に分割する場合もあれば、1株を10株に分割する場合もあります。
たとえばA社の株が、1株6,000円だったとします。
多くの場合、株式は100株以上から売買が可能ですので、A社の株を買うには60万円の資金が必要です。
でも、もしこのA社が1株を2株に分割したとしたらどうなるでしょうか。
「6,000円×1株」が「3,000円×2株」となるため、100株が30万円で売買できるようになりますよね。
そう、株式分割をすることで、最低必要金額が下がり、より多くの人が買いやすくなる価格帯が実現できるのです。
日本取引所グループのwebサイトにはこのように記されています。
http://www.jpx.co.jp/equities/improvements/unit/02.html
>東証では、個人投資家が投資しやすい環境を整備するために、望ましい投資単位として5万円以上50万円未満という水準を明示しています。
ちなみに、株式分割をした時点では、企業側が市場から得る資金の量は変わりません。細かくなった分だけ、株の発行枚数が増えるだけです。
とはいえ、最低投資金額が下がれば、多くの人が買いやすくなるため、株式分割後に、またその株が値上がりしてくる可能性は充分あるわけです。
上記の例として出したA社については、一時的に見た目の株価が半分になったとしても、その後、市場でA社の株の人気が高まって株価がさらに値上がりすることも想定できます。
2.株式分割をする会社
株式分割をする会社は、そもそも既に株価が大きく値上がりしている会社であることが多いわけです。
ということは業績が堅調だったり、市場に大きく期待されている会社であったりすることになりますね。
それも手伝って「株式分割の発表」というのは、市場においては良いニュースとして認識される傾向があります。
私もたまたま自分が持っていた会社の株が株式分割を発表したことで、さらに人気を増してグングン株価が上昇していく体験をしたことがあります。
そうなると、悩ましいのが売買のタイミングです。
もちろん「株式分割後は買いやすくなるため株価が上昇しやすい」という面はあるにせよ、参加者が多くなれば逆にその後は売りも出やすくなることが想定できます。
私自身はかつて体験した株式分割の際には、分割実施直後にいったん売って利益を確定しました。
その後、また株価が下がったところで買い直しをしましたが、私のような判断をする投資家は、どうも多いようです。
株式分割をする銘柄については、「分割実施前に仕込んで、分割直後にいったん売って利益確定」というのはひとつの定石になっているように思われます。
3.注目の株式分割銘柄
実は私が個人的に株式分割関連で注目している銘柄があります。
「ヤーマン(6630)」です。美顔器などが有名な電気機器の会社ですね。
このような発表がされています。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1486131
>平成29年10月31日(火曜日)を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主が所有する普通株式を、1株につき10株の割合をもって分割いたします。
2017年9月後半現在で「ヤーマン」の株価は11,660円です。
最低単元数は100株ですので、「ヤーマン」の株を買うにはこれまで116万円ほどが必要だったわけです。
ところがこれが株式分割後には11万円〜12万円ほどの価格帯になるわけです。
理想的には分割前に仕込みをしたいところですが、なかなかデカい資金が必要です。
これは慎重な判断をしなければいけませんね。
ちなみに「ヤーマン」の現状の株主優待は、100株以上でもらえる20,000円相当の自社商品「オンリーミネラルとプラチナゲルマローラーPROのセット」と、500株以上でもらえる45,000円相当の自社商品「プラチナホワイトRFとプラチナゲルマローラーPROのセット」です。
株式分割後は、優待の基準や内容に変化があるかもしれませんが、株主優待という意味でも「ヤーマン」は個人的に気になる銘柄です。
以上、株主優待のための基礎用語〜株式分割でした。株価自体は日々変動しますし、株主優待の内容も変更の場合があります。株式購入の際には、細かい内容について、ご自身で証券会社のサイトや、企業IR情報をご確認ください。