株主優待に役立つ相場の格言〜もうはまだなり まだはもうなり

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昔から言い伝えられてきた相場の格言には今でも学ぶべきところがたくさんあります。先人の言葉を学ぶことで、充実の投資生活、充実の株主優待ライフへとつなげていきたいものです。

1. もうはまだなり まだはもうなり

長らく相場の格言として言い伝えられた言葉に「もうはまだなり まだはもうなり」というものがあります。

 

「もうこの株売ってもいいかな」と思う時に限って、実はまだ上昇の余地があったり、逆に「まだこの株は買わないでおこう」などと思っていると、見事に買い時を逃したりと、とかく株式市場はどうなるか読みづらく、適切な売買タイミングをつかむのは本当に至難の業です。
 
この言葉は江戸時代の「俚言集覧(りげんしゅうらん)」という国語辞典にも載っているという歴史のある言葉で、相場の古典的格言とも言えるでしょう。
 
まさに予想どおりに事が運ばないというのが相場というものです。

2.私の体験談

私も実はこの「もうはまだなり まだはもうなり」というのに相応しい経験を何度もしたことがあります。
 
2008年9月の初めのことです。私は生まれて初めての株式投資にチャレンジすべく、記念すべき最初の株を購入しました。買った銘柄は「吉野家ホールディングス」です。
 
あまりまだ他の企業のことも知らなかったのに加えて、株主優待のお食事券に魅力を感じて吉野家を選びました。購入金額は11万円ほどでした。
 
ところが、私が株を始めたその途端にやって来たのがリーマンショックです。2008年9月15日、アメリカの投資銀行リーマンブラザーズが破綻したのです。
 
あらゆる株の値段が急落。大暴落の嵐に相場は見舞われました。当然私の持っていた吉野家の株もあっという間に7万円台に。なんでよりによってこのタイミングでこんなことに。
 
私はそれでもめげずに7万円台で吉野家株を買い増し。平均取得価格を10万弱にしてポジションをキープしたまま、新年を迎えました。
 
そして、ある日ネット証券の口座にログインした時です。今まで私が見たことの無かった赤い文字で、私の持っていた吉野家株の横に「13,000」と出ていました。
 
こ、これは、いわゆる「含み益」というやつです。
 
うわー株って本当に上がるんだあ。
 
私はじっと感動を噛み締めながら、その赤い文字を見つめていました。
 
「きっとまだまだ上がるんだろうなあ」と思いながら、ただひたすらニヤニヤしていた私はまだ甘かったですよ。
 
数日後にはその赤い文字はすっかりと消え、緑の文字で「-7,000」と出ていました。そういわゆる「含み損」です。
 
その時初めて知りました。「株は売って利益確定しない限り、もうけにならないのだ」ということを。さらに「売り時はほんの一瞬なのだ」ということも。
 
私が「まだはもうなり」を、身を以て知った最初の経験でした。

3.「もうはまだなり まだはもうなり」の本当の意味

あれから8年ほど。私はいろいろと、痛い目に合いながらも投資を続けて、そこそこに利益をあげて来ました。
 
その投資経験の中で「もうはまだなり まだはもうなり」の本当の意味が解った気がします。
 
この格言に向かって、「まだ、とか、もうとか、どっちやねん」などと突っ込みを入れたくなる人もいるでしょう。その答えは「どっちにも転ぶ可能性がある」が正解です。
 
所詮相場は水物。そもそも我々は神ではないので、予知をすることはできません。そのくせ人知で相場を判断しようとするから、かえってしくじるのです。
 
いろいろな本等で勉強してみると、どうも株の世界でうまくいく人というのは、自分の投資ルールをカチッと決めて、その中で動いているようです。
 
「いくら下がったら損切りする」とか「いくらに上がったら利益確定する」とか。「予想はせずに、対処をする」という感じです。
 
株主優待ゲットを目指して株を買うのは楽しいです。「売らずにずっと持つ」というのもひとつのルールですし、「優待を得たら売れるタイミングで極力早く売る」というのもひとつのルールです。
 
どんなルールが最適なのかは、それぞれの方の性格や回せる資金の量で、千差万別です。最初はいろいろとトライ&エラーでやってみればよいと思います。失敗から学び、自分なりの方法論が見出せた時、相場の波に乗れるようになる。私はそんなふうに感じています。
 
「もうはまだなり まだはもうなり」という相場の格言は「人知の不確かさ」を教えてくれる格言であると同時に、だからこそ「勝つためのルール」の必要性を教えてくれるものなのだと思います。