三重ノ塔建設現場の見学

僕は大学では土木・建築専攻なので、縁もあって特別に兵庫県の豊岡市に新規建設中の三重の塔の見学に参加させていただきました。

日本の伝統的建造物の修復は京都などに行けばよく見学できるのですが、新規建設の現場はなかなか見ることができません。

そもそも伝統構法で塔を新規建設するということ自体珍しいです。非常に貴重な機会です。

 

実は見学した塔にはすでに、モデルとなる三重の塔が他の場所にあって、そのモデルで地震動への応答解析等をおこなってから、さらに強くなるよう設計して、建設しているようです。

 

職人さんから色々なことに関するレクチャーがあったのですが、とにかく作業の丁寧さ、複雑さ、緻密さに驚かされます。雨水をとってみても、水の流れ、水滴の落ちる場所、すべて計算して造られています。

今は重機やコンクリートもあるので簡単にできることでも昔の職人さんはどうやって作っていたのか?今の職人さんにもわからないようです。

 

使われる木材の質も当然良質のものです。

日本の社寺の建立に使われる木材の最高級のものは、すべて伊勢神宮の遷宮に使われてしまうので、なかなか良質(職人さんが納得)の木材をみつけるのは難しいみたいです。その中でも良い木材を探すので、建設には何億もかかります。

 

三重の塔や五重の塔には、心柱(しんばしら)という柱が真ん中にあります。

もともと、三重の塔や五重の塔はこの心柱だけだったと言われています。

ブッダの骨を埋めた地点が遠くからでもみんなが見えるように、その上に柱を立て、そのうちその柱を風化や腐食から守るために周りに色々保護するものを付けたりするようになったのが五重塔のはじまりといわれています。

 

実はこの心柱は、地震の揺れを緩和させる働きがあります。

もちろん当時の職人さんがそんなこと考えていた訳はないと思いますが。。

でも、地震国日本において、三重の塔や五重の塔の地震による倒壊は確認されたことがないようです。

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東京スカイツリーやあべのハルカスにこの心柱の技術は応用されています!

だいたい仏教僧院にある塔には心柱が立っています。

ネパールの仏教僧院の塔も言われてみれば日本のと似ています。

てか、ネパールの方がオリジナルに近いはず??

 

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