自販機部門の荒川です。
今回は、JR神戸線と私鉄の話をします。
私鉄との激しい競争が京阪神間のサービスの基礎
JR神戸線は大阪駅から姫路駅まで87.9キロを結ぶ路線で、JR京都線と一体的な運用が行われています。JR京都線と同じように、路線の愛称で正式には大阪-神戸間は山陽本線であります。
愛称については、競合路線である阪急電鉄にも、神戸線、京都線の路線名があったことから、1988年に路線愛称が付けられるときに各々の線に『JR』が付けられたという経緯があります。
大阪-神戸間は南北数キロのエリアに山側から順に阪急神戸線、JR神戸線、そして、海側に阪神電鉄(本線)の路線がひしめくため、昭和初期から激しい乗客争奪戦が繰り広げられてきた歴史がありそれは現在でも変わりません。こうした背景も京阪神間でJR西日本が質の高いサービスを行っている理由のひとつといえるでしょう。
現在JRが京阪神間のシェアのトップになった理由
JR神戸線の特徴は、JR京都線と同じように直線が多く複々線も活かした高速性です。新快速は、時速130キロ運転、快速や普通も時速120キロ運転がされています。
新快速は、大阪―三ノ宮間を20分で駆け抜けており、これはライバルである阪急、阪神の特急よりも7~10分も速いのです。
一方料金は、特急区間運賃が採用されているため、大阪―神戸間が本来ならば550円のところ、410円に設定され(三ノ宮間も同額)、ライバルの私鉄2社(阪急、阪神)
よりも90円高に抑えています。
かっては私鉄のシェアが大きかった関西の都市鉄道でしたが、現在は、阪神間、京阪神間ともに鉄道輸送シェアはJRがトップであります。これは、線形のよさと運賃の他、JR西日本が民営化以後高速化と新駅設置などサービス向上に投資したこと、阪神大震災後いち早く復旧し旅客移転が起きたことなど様々な要因が挙げられます。新快速などの速達性により、通勤圏が拡大したこともあるでしょう。駅の乗降客数的にも加古川あたりまでは大阪の通勤圏内といえます。
平成28年3月JR神戸線に新駅2駅開業
JR神戸線の新駅は、灘―六甲道間に『麻耶駅』と姫路―御着間の『東姫路駅』です。平成28年3月ダイヤ改正時に開業します。
麻耶駅は、灘駅から東へ90メートルの地点(以前、貨物基地)に開業。この付近の地価は兵庫県内でもトップクラスの上昇率で、約730戸のマンション群の建設も周辺で計画されています。
南側へ300メートル行くと阪神電鉄の西灘駅があり、北西側400メートルほど行く、阪急神戸線の王子公園駅があります。
利用客は、1日1万6千人を見込んでいます。少子高齢化で鉄道利用客が減少傾向の中で、最近、阪急阪神とのパイの奪い合いが始まろうとしています。