私はいつも思うのです。
暦女であるが故に深く考えてしまう・・・
こうして、文献だけでなく映像で大河ドラマを通して見ると「歴史」とはかくも
恐ろしく、残酷で、その流れに抗えないものなんだとつくづく感じさせられる訳で。
さて、本日の「真田丸」レビューは15話と16話にフォーカスを当てて行きましょう。
当回、なんという小日向文世さん演じる秀吉のワンマンショー。
タイトルの「秀吉」通りであります。
日本史上でも類のない英雄にして、同時に恐るべき独裁者である秀吉の持つ魅力と恐怖が一話に凝縮されている感がありました。
[初対面である信繁を使って視聴者と共有させたのはお見事である]
ここでちょっとした豆知識。
秀吉が元百姓というのは有名な話。
では、その秀吉の出世がどのくらい急激だったのか。
現代に置き換えて考えて見ましょう。
例えば90年代にヒラの地方公務員だった奴が2016年に総理大臣やってるってぐらい急激なんです。
[親子で漫才かよ]
話を戻しまして、16話では豊臣秀吉とその一家の大騒動というドタバタコメディ回でしたが、後々の運命を考えると、こんな涙の出てくる回も無いという深い回でしたね。
なにしろ登場人物の大半が非業の死を迎えるという恐ろしい「幸せな話」なのです。
時折見せる秀吉の黒さがその伏線なんですね・・・
この一話だけで、秀吉の人懐っこさと強かさ、傲慢さが矛盾なく描かれていて、太閤秀吉の人となりが傍観者である信繁に、そして信繁の視線を通して私達視聴者にも伝わりました。
だからタイトルが「秀吉」。
見事すぎて脱帽するしかないじゃないですか!!!
毎度、三谷氏には、下鼓みを鳴らされるばかりですな・・・
そういえば、このシーンのやり取りが一番ツボりました。
[和んだやないかい]
大蔵卿局の
「茶々様は悲しむのをやめたのです」
という台詞は、浅井長政と柴田勝家の顛末を知っているからこそ、
たった一言で意味が通るわけで、三谷氏は本当に視聴者である私達歴史ファンを
信頼しているんだなって・・・
やっぱり最後は「真田丸」サイコー!
草津本店:伊東