映画「エベレスト 3D」を観る前のチョット予備知識

スタッフブログ更新8回目の荒堀です。

 

関東では今季初冠雪が確認され、季節は秋から冬へ歩みを進めていますね。

冬とえいば朝布団から抜け出すのが嫌になる季節でもありますが、無性に山に登りたくなる季節でもありませんか?

そんな冬におすすめの映画が「エベレスト 3D」です。

 

映画「エベレスト 3D」ってこんな映画

Everest

映画「エベレスト 3D」は2015年11月6日公開の3D IMAX映画です。

ヒマラヤ山脈に位置する世界最高峰エベレストで繰り広げられた実話(1996年に起きた大量遭難事故)を基に映画化。

自然が猛威をふるう中で生き残りを賭けた闘いに挑む登山家たちの姿を、3Dならではの圧倒的な迫力で映像化されました。

 

映画「エベレスト 3D」あらすじ

予告編

1996年に起きたエベレスト登山史上でもかつてない悲劇として知られる大規模遭難事故を、ジェイソン・クラーク、ジェイク・ギレンホール、ジョシュ・ブローリン、サム・ワーシントンはじめ豪華キャストで映画化した群像山岳ドラマ。ニュージーランドの旅行会社が公募した登山ツアーに集まったアマチュア登山家たちを中心に、山頂付近の“デス・ゾーン”で悪天候に見舞われ窮地に陥った人々の悲壮な運命を、3D映像による圧倒的な迫力と臨場感で描き出す。監督は「ザ・ディープ」「2ガンズ」のバルタザール・コルマウクル。
 1996年、春。ニュージーランドの登山ガイド会社によって世界最高峰エベレストの登頂ツアーが企画され、医師で登山経験豊富なベックや前年の雪辱を期す郵便配達員のダグ、著名なジャーナリストのジョン・クラカワー、そして紅一点の日本人女性登山家・難波康子ら世界各国から8人のアマチュア登山家が参加した。彼らを率いるのはベテラン・ガイドのロブ・ホール。一行は標高5000m超のベースキャンプに滞在しながら、1ヵ月かけて身体を高度に順応させていく。その間、ベースキャンプは多くの商業登山隊でごった返し、様々なトラブルが発生していた。そんな中、ロブ・ホールは別の隊を率いるスコット・フィッシャーと協調体制を取ることで合意、互いに協力しながら山頂を目指すのだったが…。<allcinema>

 

映画「エベレスト 3D」を観る前の予備知識

 

一般人も参加可能、エベレスト登頂ツアー800万円

世界最高峰のエベレストには1953年に世界で始めてニュージーランドの登山家が登頂に成功しました。

この頃は一部の冒険家や国家的プロジェクトによる冒険でしたが、1985年に一人の大富豪がガイドによる全面サポートを受けた登頂に成功すると高所得者による七大陸最高峰の人気が沸騰します。

1990年代半ばには公募隊による登山が主流となり、アマチュア登山家であっても必要な費用を負担すれば容易にエベレスト登山に参加できるようになりました。

その費用はなんと一人65,000ドル(約800万円)

 

エベレストに登るには何故高額な費用がかかるのか?

富士山であれば「登りたい」と思い立ったら翌日には山頂に立てるかもしれませんが、エベレストはそうはいきません。

まずエベレストに登るためには入山料が必要になります。

中国、ネパールの各国がエベレスト登山を計画している人に課すもので、ベースキャンプより上に行くのであれば必ず支払わなければならない料金です。

この入山料、チベット側なら7300ドル(約87万円)、ネパール側は11000ドル(約132万円)が必要です。

加えて荷物運び代からキャンプ滞在費、ルート工作費や装備に費用がかかってくるので、エベレストに登るには他の山に比べて費用が高くなります。

 

費用だけじゃなく時間もかかる

ご存知のとおりエベレストの山頂付近の空気は薄く、高度順応をしていなければ高山病を発症し命の危険があります。

その高度順応はどのように行うのか?というと今いるところより500m~1000mだけ標高の高いところに行って、数時間滞在し戻ります。

次は高いところの滞在時間を長くしてまた戻る。

さらにその次はそこで一泊して戻る、というように標高の高い場所に行って戻るを繰り返し、次第にその時間を長くしていきます。

こうすることでその標高に体が順応していき、順応したらまた同じことを更に高いところで繰り返します。

この高度順応に時間がかかるのでエベレスト登山には時間がかかる訳です。

 

ヘリコプターは使えない

この映画を観るまでは山で遭難したらヘリコプターで救助したらいいんじゃないの?って単純に思っていました。

ところが薄い空気の中では通常のヘリコプターは浮力を失うので飛ばす事すら困難なようです。

エベレスト登山の緊急運搬は標高5,300mのベースキャンプから行われますが、それも簡単ではなくベースキャンプ付近には墜落したヘリコプターの残骸が二機あるそうです。

 

 

映画本編では登場しませんが、エベレストの山頂付近には回収不可能な多くの登山者の遺体が眠っています。

1953年以来、エベレストで死亡した方の人数は200人以上おられ、150人の遺体は未だ凍結された状態のまま放置されているそうです。

なぜ多くの遺体が放置されているかというと、その場所が世­界に14ヶ所しかない死の領域「デス・ゾーン」だから。

「デス・ゾーン」とは、人間が生存できないほど酸素濃度が低い高所の領域を指す登山用語です。

標高が8,000mを超えると空気中の酸素濃度は地上の約3分の1となり、その場所で人体は高所順応せず、酸素が補充されるよりも早く酸素の蓄えを消費する­そうです。

まさに死の領域ですね。

 

もしあなたが普段の生活で時折息苦しさを感じるのなら、知らず知らずのうちに「デス・ゾーン」に足を踏み入れているのかも知れませんね。

 

では、さよなら、さよなら、さよなら。