自販機部門の船木です。
今年2020年は、天文の世界あるいは占星術の世界でいくつも大きな天体の配置現象があったようで、天文ファンや占星術ファンは、水星が3度逆行したり、金星が逆行したり、火星が逆行したりと、一年を通していろいろ楽しめた年だったのかもしれませんね。
惑星同士の地球からの見た目が重なったように見えるのが占星術では「コンジャンクション」(0度のアスペクト)と呼ばれるものですが、昨年2019年12月から今年2020年にかけて、土星・冥王星・木星が山羊座でトリプル・コンジャンクション(直列配置)が起こし、その中で1月中旬に土星と冥王星が完全なコンジャンクションをなして、世界を揺るがすような不吉な事でも起こるのではないかと、占星術ファンは囁いていたものです。
昨年2019年12月8日に何やら中国武漢から新型コロナ感染症がすごい猛威を振るっているらしいと、最初対岸の火事として、私たちは見ていましたが、まさか世界中がこんなことになるなんて、その時は思ってもいませんでしたね。
確か木星と土星は占星術では社会と大きく関わる惑星だと言われていたと思いますが、この惑星同士は、天文学的には、木星の公転周期が約12年、土星の公転周期が約30年近くで、それらが同じ位相に来る会合周期は約20年ですから、20年に一度は天球上で出会っているわけです。ですから、今年2020年は一年を通して木星と土星はずっと非常に近い位置に見られましたが、その中でもこの12月17日からクリスマスの25日くらいまではかなりその接近度はかなり稀に見る現象だったそうで「グレートコンジャンクション」と呼ばれています。
2020年12月下旬 木星と土星が大接近 – アストロアーツ
木星と土星が接近(2020年12月) | 国立天文台(NAOJ)
今回2020年12月21日、22日くらいが木星と土星が一番グレートコンジャンクションを起こしたそうですが、どれくらい稀であったかと言うと、397年ぶり、794年ぶりという稀さで、これほどの近さは二千年紀の間では7度くらいの現象だそうです。ちなみに、二千年紀と言いましたが、地球の地軸が23.4度傾いているために、私たちが見ている天球面というのは25,920年の歳差周期で一周しており、それを黄道十二宮で分割すると1つの星座を通過するのに2,160年かかるわけです。そのため、黄道十二宮に対応した星座時代はほぼほぼ二千年紀に対応するということになります。
今までの二千年紀が「魚座時代」でしたから、今度の二千年紀は「水瓶座時代」になるそうです。その本格的な幕開けは、実は21世紀の元年の2001年ではなく、どうもこの12月21~22日なのではないかと言って、占星術ファンの間では大いに盛り上がっていたようです。
少し歴史を振り返ってチェックしてみると、木星と土星がこれほど接近したのは、まずは397年前の1623年と言われ、この頃は日本では、徳川第3代将軍・家光の治世であり、当時東アジアではイギリスとオランダが植民地争いをしていてアンボイナ事件が起き、イギリスは日本や東アジアからの撤退を余儀なくされたようです。日本が鎖国政策を通じて、唯一ヨーロッパと外交があったのがオランダだというのもこの辺の経緯があるようです。
しかし、397年前の木星と土星の位置は太陽に近くて、たとえ観測していたとしても観測はしづらかった位置のようで、むしろ今回の接近距離に近いのは、794年前の1226年だったと言います。ということは、日本では鎌倉時代です。当時はちょうど、北条氏が源氏の子孫を根絶やしにして、邪魔な後鳥羽上皇らを承久の乱を理由に島流しにし、自分たちの傀儡である摂家将軍を立て、完全に鎌倉幕府の実権を握ったとしでもありました。
こうして、日本の397年前と794年前の出来事を覗いてみるだけでも、社会状況が大きく変わっていった時期だったと思われます。次回の大接近は2080年3月15日、その次は2400年だそうです。
そう言えば、昨年2019年は第125代天皇が生前退位され、5月から新天皇が即位し新元号の「令和」となった年でした。今年2020年は、現在2001年の「千と千尋の神隠し」の興行収入316.8億円を物凄い勢いで抜きそうな「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が公開されましたが、この物語の舞台もまた明治から大正へと元号が改定された頃だったと言いますから、同じような元号改定前後のこの時期に流行したというのも、読者たちが何かそこに漂う空気のようなものを感じているからなのかもしれません。また、そこに出て来る鬼の元祖が平安時代に由来すると言いますから、その辺りにも歴史の裏舞台で脈々と戦い続けてきた戦士たちの熱い想いを感じるのかもしれません。
歴代ランキング – CINEMAランキング通信 – 興行通信社
とにかく、この397年ぶり、あるいは、794年ぶりに木星と土星が出会うこの2020年の冬至の日をきっかけに、この新しい二千年紀の水瓶座時代が、どうかみなさんにしあわせの光をもたらすようないい時代になりますように。