アルチンボルドに惹かれてまたまた東京までやってきた。
今回お邪魔させてもらったのは「Bunkamura ザ・ミュージアム」
神聖ローマ帝国皇帝にして、究極の趣味人であったルドルフ2世。
教養に富み、文化を愛したこの皇帝の、驚異のコレクションルームを覗いた。
素晴らしい絵画を見て回るうち、史実的な観点で特に興味深かったのは、
ルドルフ2世のこれらのコレクションの多くが、
スウェーデンのスコークロステル城から収蔵されたものであるということ。
三十年戦争は1648年に終わりを迎えるが、
カトリック勢力の中心としてヨーロッパを広く治めたハプスブルク家の没落が決定付けられた一方、
新勢力側に位置したスウェーデンはプラハから多くの戦利品を奪取し、
ヴェストファーレン条約によって多くの領土を得ることとなった。
この時に得た戦利品が、ルドルフ2世のコレクションの数々であったということには、
なるほど、と思った瞬間だった。
ルドルフ2世は、三十年戦争の直前に在位していた皇帝であり、
その政治力の無さ故に三十年戦争勃発のきっかけを作ったとも言われている。
反面、高い教養をもって文化に理解を示した人物であり、
歴史に名を残す偉大な画家や学者を保護し、16~17世紀の学問の発達や芸術の発展に大きく寄与した。
彼の集めた芸術品は、ストレートに感情に訴えてくるような作品もあれば、
凡人にはなかなか理解し難い作品まで幅広く、実に様々なコレクションを閲覧することができた。
巡回展で、この春、滋賀県に上陸する。
興味のある方は是非足を運ぶことをお勧めする。
佐川美術館までバスを利用するなら、チケットライフへ。
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近江八幡店:伊東