確定申告も3月15日までですが、申告が必要な方は無事に終わりましたか? この確定申告は、個人事業主や医療費控除なども含め、さまざまなケースで必要になりますね。もちろん、株式投資の配当金も「配当所得」として申告が必要になってきます。
では、株主優待はどうでしょうか。株主優待は確定申告の対象になると思いますか?
答えは、YESです。
株主優待も確定申告の対象になります。ではどんな場合に確定申告が必要となってくるのか、配当金との違いも含めてご紹介いたします!
株主優待を確定申告するときは「雑所得」で!
前述のとおり、株式投資の配当金は「配当所得」として確定申告をする必要があります。一方、株主優待については「雑所得」で計上して申告をします。しかし必ず申告が必要かといえば、そうではありません。
株主優待の確定申告が必要なケースは?
まずは確定申告が必要なケースについてご紹介します。
【給与所得者】
「給与所得者」は、会社員(サラリーマン)やアルバイト、パートで給与を受け取っている人のこと。これらに該当する人の所得には、給与で得た「給与所得」や、退職金による「退職所得」があります。この給与所得や退職所得以外に、20万円を超える所得がある人は確定申告が必要になります。
つまり配当金や株主優待、その他副業などの収入合計が20万円を超えなければ、確定申告をしなくてもいいということですね。
【所得がない人や専業主婦】
次に、所得がない人や専業主婦についてです。これらの人たちは、配当金や株主優待、給与所得にならない収入の合計が、所得税の基礎控除分となる38万円を超える場合に確定申告が必要になります。
このように、必ずしも確定申告が必要になるわけではありません。所得額によっては、確定申告が不要になる場合もあるのです。
株主優待は「配当所得」には含まれない
株主優待は「雑所得」であると前述しましたが、配当金とは異なる性質のものであるため「配当所得」には含まれないのです。これは所得税基本通達の「法第24条《配当所得》関係」にも明記されています。
法人が株主等に対してその株主等である地位に基づいて供与した経済的な利益であっても、法人の利益の有無にかかわらず供与することとしている次に掲げるようなもの(これらのものに代えて他の物品又は金銭の交付を受けることができることとなっている場合における当該物品又は金銭を含む。)は、法人が剰余金又は利益の処分として取り扱わない限り、配当等(法第24条第1項に規定する配当等をいう。以下同じ。)には含まれないものとする。
引用元:国税庁ホームページ・法令解釈通達
配当金は企業の利益を分配するもの、つまり「利益処分」として扱われています。一方で、株主優待を利益処分として扱わない場合は配当には含まれず、「配当所得」には当てはまりません。
上記の「次に掲げるもの」には、株主優待や、自社製品の値引き販売、創業記念・増資記念品などが当てはまります。それらはすべて「雑所得」になるのです。
所得額は額面金額?優待券を売却した場合はどうなる?
確定申告で記載する所得額は、株主優待の額面金額になります。1,000円分の優待券であれば、1,000円というわけですね。さて、チケットライフでは株主優待券の買い取りをおこなっていますが、株主優待券を売却して利益を得た場合はどうなると思いますか?
売却で得た利益は、「譲渡所得」としての計上が必要です。たとえば、2,000円の株主優待券を3,000円で売却できた場合、利益分の1,000円が譲渡所得になります。
金券ショップやオークションなどで、額面以上の金額になることは珍しいと思いますが、全く可能性がないわけではありません。譲渡所得が発生した場合も、元の株主優待分を雑所得として申告する必要がありますので注意が必要です。
年間に獲得した株主優待や配当金をチェック!
株式投資で得をしたいのに、確定申告を怠って追徴課税が来てしまったら、本末転倒です。確定申告が必要かどうか、年間(毎年1月~12月)に獲得した株主優待や配当金の合計額を必ずチェックするようにしましょう。
株主優待によっては、割引券や「○円相当」の現物であることもあります。判断に迷ったときは、税務署や税理士に問い合わせると間違いがなく安心です。確定申告の問題をクリアして、有意義な優待ライフを送ってくださいね。