「株」の起源や語源って?知ってるようで知らない株の話


株式投資をするにあたり、誰もがまず最初に調べることといえば「株式投資のしかた」や、「投資するべき銘柄」「配当や株主優待について」といった、投資に関する事柄が多いのではないでしょうか。株式投資をするならば、この「株式」というシステムはいつ頃から始まったのか、なぜ「株」というのか、そういった事柄についてもぜひ知っておきたいところですね。

 
そこで今回は、「株」の語源や起源について簡単にご紹介します! 語源や起源については諸説ありますが、そのなかでも有力なものをピックアップいたしました。

株式の起源は「オランダ東インド会社」


株式の起源については、「東インド会社」が始まりであるといわれています。「東インド会社」と呼ばれる存在はイギリスやフランスなどヨーロッパ各国にありましたが、「オランダ東インド会社」が株式会社の起源として伝わっています。

オランダ東インド会社の「株式」システムや配当は?

1602年に設立されたオランダ東インド会社は、運用資金のために投資家を集めました。そうして出資をしてくれた投資家に対し、証明書(証券)を発行したのが株の起源とされています。この証明書が、今でいう株券というわけですね。
 

システムは現代の株式会社と近いものがあり、貿易で得た利益に応じて、投資家に循環するというもの。多い年には50%もの配当があったともされ、出資額に応じてその配当も変動したといいます。

 
歴史のなかで、戦争に身を投じることも多かったオランダ東インド会社。歴史の授業でも学ぶことが多い組織ですが、株式会社の起源であるという一面も持っていたのです。そんなオランダ東インド会社ですが、1799年に解散。実に190年ものあいだ、あらゆる方面でその力を誇り続けました。

オランダ東インド会社に出資するリスクは計り知れない

投資にはリスクが付きものです。今年に入ってから、世界中での株価の暴落や、ビットコインの大暴落などがありました。必ず利益が生じるわけではないのが、投資の特徴でもあります。株価の変動で一喜一憂をくり返すこともあるでしょう。

 
オランダ東インド会社に出資することは、現代の株式投資よりもリスクが高かったと思われます。貿易を主体とし、軍事力も有して戦争にも参加する組織です。1600年代当時の貿易といえば、船と陸路が主体。船も現代のように強い造りではありませんし、衛星や通信技術なども発達していません。海賊も当たり前のようにいた時代です。そんな時代ですから、ある日突然大きな損失を出す可能性が高いことは誰もが想像できることです。

 
多額の投資をしても、翌日には文字通り水の泡になってしまうかもしれない、そんな計り知れないリスクのあるオランダ東インド会社に投資をした人々は、「先見の明」と「企業力」を見抜く観察眼を持っていたのかもしれませんね。

「株」の語源は「切り株」説!


「株」の語源は、「切り株」であるという説があります。日本には「株仲間」という存在が古くからあり、江戸時代の商工業者による同業組合を指します。幕府や藩から認められた集団で、冥加金という税を納めていました。この「株仲間」の「株」が「切り株」から来ているとされています。

どうして切り株から?

切り株は切ったあとも、その場に残っています。その様子から、世襲などで継承され、長く続く身分や地位も「株」と呼ばれるようになったとされています。商工業者による同業組合も同様で、利権などを同業組合で保守、所有することを目的としているため「株仲間」という名称になりました。そして「株式」は、保持される権利が各々の出資によるものであることから、そう呼ばれるようになったとされています。

英語で株式を意味する「stock」も切り株!

英語ので株式を意味する「stock」も、切り株という意味を持っているのをご存じでしょうか。日本語同様、「株」に「切り株」の意味があるのは不思議ですね。

 
「stock」といえば、蓄えや貯蔵、在庫などといったイメージが強いことでしょう。また、貯金箱という意味として使われていた時代もあり、そういった貯蓄的なイメージから「株」に繋がる単語であるという説もあります。

 
また、「stock」という単語はほかにも大変多くの意味があるので、少しご紹介します。

 

  • 人気や評価といった意味
  • 始祖、血族、血統、系株などといった、一族の系等や人類に関する意味
  • 台、台座

 
これらの意味は、「stock」の持つ意味の一部でしかありません。しかし、株式の持つ特徴や、「stock」の他の意味を考えると、どこか通じるものも感じますね。人気や評価といった意味においては、「His stock has risen(彼の株が上がった)」という英文を作成することもできるんですよ。

当たり前のように使っている言葉も、由来を知ると深くなる


今回ご紹介した「株」の起源や語源は、諸説あるなかにおいて最も有力な説のひとつです。株取引に限らず、普段当たり前のように使っている言葉も、その由来を知ると深みを感じるもの。株の起源や語源だけではなく、自分が投資をしている企業についても、その生い立ちや企業名の由来を調べてみると、面白い発見があるかもしれません。

 
投資は、投資対象を大切に育てていくことにもなります。投資対象についてしっかりと知ることで、投資ライフ・優待ライフをより充実したものにできるといいですね。