昔から言い伝えられてきた相場の格言には学ぶべきところがたくさんあります。そんな先人の言葉を通して株式相場のあり方をつかみ、充実の株主優待ライフへとつなげていきましょう。
1.利食いに迷わば半手仕舞い
「利食いに迷わば半手仕舞い」という相場の格言があります。
これは、「利益が出ている局面で、利益を全て確定するかどうか迷った場合は、後悔しないように半分だけ確定して、半分は残しておくのが良い」ということを述べた言葉です。
私が株式投資をしていて常々感じるのが「利益確定のタイミングの難しさ」です。
「これだけ上がったのだから売ってしまえ」と、キッパリその銘柄の保有分全てを売ってしまった時に限って、さらなる株価上昇の局面がやって来て後悔する。
「株式投資あるある」ですよ。
一方で、「いや、まだまだ上がるだろう」と思って大事に保有株をキープし続けてみた時に限って、ズルズルと値を下げていき、見事な塩漬け株が出来上がってしまう。
これもまた「株式投資あるある」なのです。
そういった経験を重ねる程、利益が出ている局面では、利益確定するかどうか悩んでしまうわけです。
「利食いに迷わば半手仕舞い」という格言が必要とされる背景が、私にはよく理解できます。
2.私の個人的体験
ここで私の個人的な体験を例として出してみようと思います。
私がよく手がけている銘柄のひとつに「三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)」があります。
あれは2010年頃のことだったと思います。私は同社の株を買い増し続けて、ちょうど3,000株を保有していました。
ところが当時は民主党政権の時代で、株式市場は全般に振るわない状態でした。
さらに東日本大震災もあって株価は下がり、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」 の3,000株を売るに売れないまま、私はずっと持ち続けました。
そんな冬の時代を耐え忍んで迎えたアベノミクス相場。
手持ちの「三菱UFJフィナンシャル・グループ」の株は爆上げしました。
そこで一気に利益確定したい欲もありましたが、私は少しずつ分割して利益を確定する方法を選びました。
この作戦は見事に的中でした。
まず1,000株を売りました。半手仕舞いというか、三分の一手仕舞いですね。
後日また1,000株を売り、さらにまた別のタイミングで500株を売って・・・という方法で、私はうまいこと売却益を得ることができました。
その間、基本的に株価は上昇基調を保っていたので、最初のタイミングで全売りしなくて大正解でした。
3.株主優待への応用
ところで、この「利食いに迷わば半手仕舞い」という格言は、株主優待についても応用が可能だと思います。
株主優待のある銘柄の中には、優待の条件が「権利確定日に100株以上保有」ということのみになっているものもあります。
あなたが仮に、ある会社の株を200株持っている局面で、その株が爆上げしたとします。
「このまま持っていて優待をもらおうか、それとも売却して利益確定しようか」などと悩んだ時には、この「利食いに迷わば半手仕舞い」という格言の通りにするという手があります。
そう、100株を手放して売却益を得つつ、残り100株を権利確定日まで持ち続けて優待も得るのです。
また「長期保有で優待内容がグレードアップする」という銘柄の場合も、同じように応用ができます。
例えば、200株のうち100株は相場に応じて売ったり買ったりしつつ、もう100株はずっとキープしておく。
こうすれば、適度に売却益を得ながら、株主優待も合わせてゲットできるわけです。
2017年の衆議院選挙は自民公明の与党が勝利し、当面アベノミクスの継続がされることになりそうです。
専門家の中には「2020年頃には日経平均が4万円近くまで上昇する」と述べている人もいます。
もしそうなったら「利益が出ていて利益を確定するのに迷ってしまう局面」にたくさん出会うことになるのかもしれません。
そんな時が来たら、またこの格言を思い出してみようと思います。
以上、株主優待に役立つ相場の格言「利食いに迷わば半手仕舞い」でした。皆様の楽しい株主優待ライフのヒントになればと思います。