株主優待のための基礎用語〜「日経平均」と「TOPIX」


経済ニュースなどで耳にする「日経平均」や「TOPIX」という言葉があります。これはいったいどういうものなのでしょう。また、その違いはどこにあるのでしょうか。解説していきます。

1.「日経平均」とは

まずは「日経平均」です。こちらは正確に言うと「日経平均株価」ですね。

 

もともとは1950年に東京証券取引所が「東証修正平均株価」の名称で算出を開始したものですが、1970年に日本経済新聞社がこれを継承しました。
 
算出の対象となっているのは、東証1部に上場している株の中から選出された225銘柄です。
 
各業種の代表的な銘柄が選ばれていますが、定期的に見直しが行われていて、市場での流動性の低くなった銘柄などは別の銘柄に入れ替えられます。
 
「日経平均」とは、いわば「プロ野球日本代表選抜チームの選手達の平均年棒」のようなものですね。
 
いわば「スター選手たちが、どれくらい活躍しているかを知ることのできる指標」といったところです。

2.「TOPIX(トピックス)」とは

一方、「TOPIX」は「Tokyo Stock Price Index(東証株価指数)」の略称で、東証1部に上場している全銘柄の時価総額の変動を表す指標です。
 
基準日である1968年1月4日の時価総額を100として、現在の時価総額が出されています。
 
「TOPIX」は「固定株(親会社や創業者などが保有して市場にでない株)」を除いた、「浮動株」を主な計算対象としているため「東証一部に上場している銘柄の、浮動株ベースによる時価総額の変動を表す」という指標になっています。
 
プロ野球の例で言うと「『現在、一軍登録されている全選手の年棒の合計』を、過去の時代と比較した」とでもイメージすればよいかもしれません。
 
要するに「TOPIX」は「普通の選手も含めて皆がどれくらい活躍しているかを示す指標」ということです。
 
長嶋選手とか王選手などの時代に比べて、日本の野球選手の給料もだいぶ上がりましたね。
 
ちなみに2017年10月後半現在の「TOPIX」は1,746です。東証一部の株は、長嶋選手・王選手の時代の17倍ほどの時価総額になっているというわけです。

3. 「日経平均」と「TOPIX」の違い

「日経平均」は選抜チームなので、登録されている選手は少なく、また中にはメジャーリーグに進出するなどして、ものすごく高い年棒をもらっている選手もいます。
 
母数が少ない分、高い年棒の選手の給料の額の増減が、チーム全体の平均に与える影響は大きいですね。
 
これを株式の話に戻すと、「日経平均は、値がさ株(=株価水準が高い株)の影響を受けやすい」ということになります。
 
一方、これに対して「TOPIXは、時価総額の大きい企業の株価の影響を受けやすい」ということになります。
 
どういうことでしょうか。こちらも無理矢理プロ野球の例にしてみます。
 
例えば、「巨人」のように、選手にたくさん給料を支給できる球団の成績が、全体に与える影響が大きくなる、と考えると良いでしょう。
 
「巨人」が優勝すると、巨人の所属選手達の給料がグーンと上がって、そのお蔭でプロ野球界の年棒合計が上昇するイメージです。
 
逆に「広島」のように、あまり給料を上げられない球団が優勝してもプロ野球全選手の年棒額への影響は少ない、という感じです。
 
さて、具体的な銘柄でいうと、新進気鋭の「ファーストリテイリング(9983)」などは、いわばメジャーリーグ級の年棒(株価)の高い選手で「日経平均」への影響度が高いわけです。
 
一方、「三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)」「トヨタ自動車(7203)」のように、野球でいう「巨人」のような伝統的巨大企業の株価は、「TOPIX」への影響度が大きいのです。

4.注目されるのは「日経平均」

「日経平均」は、「TOPIX」に比べて新聞やニュースでとりあげられる頻度が非常に高いです。
 
スターの動向が気になるのはプロ野球も株も同じですね。
 
ところで、2017年10月。衆議院の選挙を挟んで、とうとう日経平均は15日連続の上昇を見せて、史上最高記録を更新しました。
 
1960年12月から1961年1月にかけての14日連続上昇の記録を破ったわけですが、これは池田内閣の「所得倍増政策」の頃のことですから、いかにすごい記録かがわかります。
 
2017年10月23日現在で日経平均株価は2万1,696.65円です。
 
この先「日経平均」はどこまでいくのでしょうか。答えは「神のみぞ知る」としか言いようがありません。
 
以上、今回は「日経平均」と「TOPIX」について解説しました。皆様の充実の株主優待ライフのヒントとなれば幸いです。