市場で買える株式の中には様々な特徴があります。今回はその中からバリュー株とグロース株について解説します。
1.バリュー株とは
市場には、その株の本来の価値から見て、割安な状態になっている株があります。
業績や財務等には問題が無いのに、株価が低くなってしまっているような株です。
これを株式投資の世界では「バリュー株(割安株)」と呼んでいます。
このような銘柄を買っておけば、いずれそれらは本来あるべき値段に戻るはずですので、手堅い投資ができる可能性が高いわけです。
ではどうやったら株が割安な状態にあるという判断ができるのでしょうか。
その際に使われる代表的な指標が以前にも紹介したPBRやPERです。
例えば2017年7月現在でPBRが1倍を下回っている「みずほフィナンシャルG (8411) 」「三井住友フィナンシャルG (8316) 」 「三菱UFJフィナンシャルG (8306)」のようなメガバンクの株などは、バリュー株の典型例です。
日本のメガバンク株がここまで割安状態になっているのは、日銀が導入したマイナス金利の影響が大きいのだと思いますが、個人的見解ではここまで下がるのは、さすがに下がり過ぎに見えます。
また2017年7月現在でPBRがほぼ1倍の「トヨタ自動車 (7203) 」などもバリュー株と言えますね。
これらは、いずれは適正な株価水準に戻っていくと思います。
なお、PBRやPERが低い銘柄の中には、何か不祥事が起こった企業の株や、急激に業績が悪化した企業の株なども含まれます。
下がって当然の理由があって、株価が下がっている銘柄は、バリュー株と呼ぶべきものではありませんので注意が必要です。
2.グロース株とは
事業内容などから判断して今後の成長が見込まれそうな銘柄を「グロース株(成長株)」と言います。
「将来性に期待して投資をする」という発想ですね。
ハイテク株などのように新技術の開発をしている会社や、新業態を展開している会社などがこれに該当します。
例えば、液晶ディスプレーを手がけている「ブイ・テクノロジー (7717) 」などが具体例としてあげられるかと思います。
私自身が優待をもらいつつ、成長を期待してホールドし続けている「極楽湯ホールディングス (2340) 」などもグロース株のはずです。(個人的見解です。)
バリュー株に該当する銘柄は企業としても歴史が長く安定性のある銘柄が多いのですが、グロース株の方はなかなか見極めも難しく、投資リスクは高くなりますね。
企業が成長していくのを見守っていくのも、株式投資の楽しみのひとつですが、期待通りに成長してくれるとも限らないのが難しいところです。
グロース株に該当する銘柄は企業としても歴史が短く、規模もまだ大きくないものも多く「配当無し」という銘柄も含まれます。
また市場の期待によってPBRやPERがかなり高めになる傾向も見られます。
3.バリューかグロースか
さて、株式投資をする上ではバリュー株とグロース株のどちらが良いのでしょうか。これには正解があるわけではありません。
皆様それぞれの余裕資金の量や、性格、生活環境などによって投資スタイルは変わって来ますので、「ご自身でご判断ください」ということになってしまいますね。
とはいえ、少なくとも私自身は「分散させて様々な銘柄を持つ」という手法が正解かと思っています。
バリューもグロースも両方そこそこに手がけています。
ちなみに、株式市場の世界では「バリュー株が盛り上がる時期」と「グロース株が盛り上がる時期」の両方があるというのは確かです。
ですから、そのトレンドにうまく乗り、その都度持ち株をリバランスするという投資戦略は考え得る選択肢のひとつです。
セオリー的に言うと例えばこんな傾向はあるようです。
世の中の景気がよくなると、各国の中央銀行が金利を上げます。
そうなれば、世の投資家は株よりも、国債のようなリスクの低い投資先を選ぶことになります。
リスクの低い投資先が好まれるような空気の時は、株の中でもリスクの低いバリュー株が好まれるようです。
逆に中央銀行が金利をゼロ金利やマイナス金利に設定していると、投資家はリターンを得るために株のようなリスク資産に手を出さざるを得なくなります。
リスクの高い投資先を厭わない空気が強くなれば、グロース株に資金が集まりやすくなるわけです。
今後の日本の景気、世界の景気がどうなるのかは予想ができませんが、うまくトレンドに乗って適切な投資判断ができれば幸いだと思っています。
以上、今回は「バリュー株」と「グロース株」について解説しました。皆様の充実の株主優待ライフのヒントとなれば幸いです。