株主優待の中には長期保有で得られる商品がランクアップするものや、そもそも長期保有でないと優待自体が得られない銘柄もあります。今回は長期保有によって得られる株主優待銘柄をいくつか紹介したいと思います。
1.2016年夏の話題をさらったあの銘柄
2016年株式相場の大きな話題となった銘柄のひとつが「極楽湯(2340)」です。中国におけるスーパー銭湯事業が順調ということで、一気に株価が上昇しました。
もともとこの極楽湯の株は6ヶ月連続保有(3月と9月の株主名簿に載ること)で「極楽湯」「RAKU SPA鶴見」「RAKU SPACafe浜松」で利用できる無料入浴券が得られるということで優待人気銘柄のひとつでした。
夏に極楽湯株が急騰した時は、優待ゲットと利益確定のどちらを取るかで悩んだ方も多かったかと思います。
そう、株主優待に長期保有のメリットを持たせることには、「売りを出にくくさせる」という効果があるわけです。
2.お馴染みのあの食品メーカーも長期保有がお得
株主優待の中では、家庭で日常的に使われる食品を扱うメーカーなどは、人気の高い銘柄です。
「味の素(2802)」は、100株以上保有で1,000円相当の、1,000株以上保有で3,000円相当の、自社グループ商品詰め合わせセットがもらえます。
さらに「3年以上かつ1,000株以上保有」という条件が加わると、優待商品の総額が「6,000円相当」となります。まさに「長期保有でグレードアップ」の銘柄ですね。
また「キューピー(2809)」は100株以上で1,000円相当の自社グループ商品詰合せがもらえますが、こちらは優待を受けるために、そもそも3年以上保有が前提となっています。
「ハウス食品グループ(2810)」も100株以上で1,000円相当の自社グループ商品詰合せがもらえますが、こちらも優待を受けるためには半年以上の保有が前提となります。
3.地銀株の長期保有で地方の名産品をゲット
日銀のマイナス金利政策によって全体的にふるわない銀行株ですが、地方銀行の中には、地元の食材などを優待に取り入れることで、投資家へアピールしているところもあるようです。ふるさと納税なども話題ですから、戦略としてはありですね。
「第四銀行(8324)」は新潟でナンバーワンの地銀です。こちらの株主優待はカタログギフトなのですが、新潟の米や酒、海の幸、山の幸など、実に美味しそうなもので溢れています。
1,000株以上保有で2,500円相当、10,000株以上で6,000円相当の商品がゲットできますが、1年以上の継続保有が前提となります。
また「中国銀行(8382)」も同じように魅力的なカタログギフトを株主優待として用意しています。桃やぶどうなど、こちらも美味しそうなもので溢れています。
500株以上で5,000円相当、5,000株以上で10,000円相当の商品がゲットできますが、こちらも1年以上の継続保有が前提です。
4.長期保有でじっくりと文化に触れる
「コア(2359)」は、車載やスマートデバイス向け組み込みソフトなどを手がける、SI・ソフトウエア開発の会社です。
こちらの会社の株主優待は、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館で使える「国立博物館共通パスポート」です。
特別展は回数制限ありですが、総合文化展は回数制限無しで観ることができるようです。博物館には繰り返して観たい展示もありますし、むしろ何度も観ることによって発見の得られることもあります。
この手の文化施設の好きな方にはたまらない優待ですね。そして、こちらも1年以上の継続保有が前提となっています。
「カドカワ(9468)」はかつて角川書店として知られたあの会社です。動画投稿サイト運営のドワンゴとの経営統合も話題になりました。
そんな多角化の方向性は株主優待からも伺い知ることができます。
1年以上100株以上保有で、「文庫3冊」「新書3冊」「コミック3冊」「単行本2冊」「映画チケット2枚」「電子書籍購入ポイント3,000ポイント付与」「DVD・ブルーレイ1セット」「ニコニコグッズ」などの、様々な選択肢から優待商品を選ぶことができます。
そして、このカドカワの優待も長期保有でグレードアップします。
3年以上継続保有の場合、さらに追加オプションとして、「文庫2冊」「新書2冊」「コミック2冊」「単行本1冊」「映画チケット1枚」「電子書籍購入ポイント1,500ポイント」などの選択肢が加わります。これは大変に魅力的です。
長期保有は企業にとっても、株主にとっても、双方にメリットがある。そんな典型的な例ですね。
以上、長期投資派の方には特に参考になったのではないでしょうか。今回は、長期保有でこそ得られる株主優待をピックアップしてみました。