主人公は遅れてやってくるもの

気づけば朝晩は冷え込み、

そろそろ山の木の葉達も色づいてこようとしているが、

季節の移り変わりも然ることながら、

大河ドラマ「真田丸」も一気にクライマックスへと時代は進んでいる。

信州にて桜が舞う丘で、源次郎ときりが2人、小県の地を見ていたのがとても懐かしく思う。

真田幸村の顛末を知っているからこそ、

尚更その気持ちが強くなるというのも一つの理由だが、それだけではない。

歴史、いや大河ドラマはただ歴史をなぞるだけではダメで、脚本家が大きなテーマを掲げて、

歴史を材料にして料理しないと一年は完走できない。

テーマ設定と、どんな歴史をマッチングさせ、どれだけ自然に溶け合うかで大方の評価は決まるものだ。

「真田丸」がメディアで取り上げられ、

ゆかりの地や美術館、個人蔵とのコラボレーションまで発展している現状を見ると、

言葉にしなくても今作の成功と三谷脚本の偉大さを知る。

死屍累々たる失敗作を乗り越えて、久々に真打登場である。

というのは一個人の誇大評価ではないということを分かってくれるだろうか。

 

さて、私の今日の従然草な感想なんぞどうでもいいので、

早速「真田丸」レビューいってみましょうヾ(●⌒∇⌒●)ノ

 

第41回「入城」

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(忍にも受け継がれる徳川の系譜)

 

「我に秘策ありっ!!!」って言うから、期待したけど……

「全力で押し通る!」って伊賀越えと同じでワロタ( ̄ー ̄)

以前の加藤清正に毒を施すのを見て「よくできた二代目が来た、これは手強い」と思ったけど、

41話見て「あ、服部さん家ブレてないわ」ってなりました。

 

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(得体の知れない爺メイクもこなせるきりちゃんのスキルはどう考えても待女のそれというよりは忍のそれ)

 

一説によれば、真田幸村は、九度山から大阪に入ったときヨボヨボのじいさんになっていた。

と言われてるけどこういう事だったのか……ってむしろツヤツヤの若返ってるじゃねぇか。

ははーんなるほど。

信繁は老いて死に、幸村として蘇ったという事を示すパフォーマンスって事だな?

 

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(親父から受け継いだ「流れるようにウソをつく」スキル)

 

幸村がハッタリをかませるようになったり、大阪城再デビューに成功したけど、

早速大阪城内での意地の張り合いが始まったと思うのは気のせいだよね……

ちなみに、

幸村「堺を抑えましょう」

修理「早速手配します」

各大名家の兵糧を抑えた挙句徳川の米も抑えたはいいが、

「そんなに困ってんなら持ってっていいよ」と言われ「べ、別に困っておらんわ!!!」

と突っ返すことになる大野修理。

そうそう、持ってけ!と言ったのは名奉行として後世名高い板倉勝重。

 

こんなエピソードを踏まえると、もはや負けフラグを立てられたのと同じ。

「誠心誠意を込めた」大阪の城に対して、真田左衛門佐幸村は敵見方に関わらず、

詐術を弄しなければならない立場になってしまっている。

この辺りが三谷脚本の食えないところで、真田家無敵説を既に否定してしまっているんですね~

 

しかし今回は、家康公が全くブレてなかった事が嬉しかった。

相変わらずビビリの苦労人で戦嫌いで人殺しも好きじゃない。

「滅びの美学」が理解できなくて、太平の世がようやく完成しかかってるのに戦を選ぶ豊臣に嘆く家康公。

 

「なにゆえ滅びを選ぶ」は第2回の「人はなにゆえ滅びるのか」のリフレイン。

徳川家康の武将としての人生は、きっとこの問いかけの連続だったんだろうな。

と私はそっと考えておるのです。

 

「徳川を倒して手柄を立てて大名になる!」

あぁ……もうそんな時代ではない。

ないけど、そういった者達が大阪城に集まっている。

 

燃え上がる炎が夜を照らし、真っ赤に染まる大阪の空をこの目にする日は、そう遠くない。

 

 

次回第42回、真田丸「味方」10月23日20:00放送

 

 

草津店:伊東